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演出いのうえひでのり

『吉原御免状』は、新感線が『阿修羅城の瞳』『髑髏城の七人』と新感線的エンターテインメントの確立にある程度の手応えを感じていた頃、より人間的な、よりリアルなドラマをやってみたいという思いを抱いていた時に、この企画をオファーされた。
タイミング良くも中島君がリスペクトしてやまない隆慶一郎先生のある意味『髑髏城の七人』のルーツ的作品であるこの『吉原御免状』に挑戦してみようということからスタートしたのではなかったか、そんなカンジだったので、それなりにストイックな気持ちで稽古をしていたような気がします。
しかし、19年の時を超えて、この作品が劇場のスクリーンにかかるのはとても感慨深いものがありますね。
本格的に時代劇として認められた!みたいな。
まっ、やっぱり19年前ですから、皆さん若い!
堤くんも古田もイキイキしていますよね、松雪さんも。特にこの作品のクライマックスの堤クン演じる松永誠一郎と古田演じる柳生義仙の一騎打ちの立ち回りの迫力と殺気は、数ある新感線の殺陣・アクションシーンの中でも、ベストバウト。五本の指に入る名シーンではないでしょうかね。

隆慶一郎先生の原作をリスペクトすることありきで作られた舞台なので、いつものように新感線的小ネタが入っていないのも映画的には見易いのかも。 是非、スクリーンでみて欲しい。とても、映画的なゲキ×シネだと思います。